#167 Weep not, Child

Oct. 6, 2015

読書の季節になりました。
ノーベル文学賞はもう発表されたのでしょうか。

あらためて、文学賞候補のケニアの作家グギ・ワ・ジオンゴ
『Weep not, Child(泣くな、わが子よ)』を読み直しました。
すごい迫力とリアリティで、ケニア独立前の暗い時代が描かれていて
深く考えさせられる本です。

家族や隣人が信じ合えないことの絶望、恐怖。
白人、インド人、ケニア人(ギクユ人)の複雑な関係性。
対立している家の娘ムイハキとの悲しい恋。
戦争の最前線ではないからこそ、じわじわと大切なものを破壊され、
追いつめられる人びと。

その中で、主人公ジョローゲが唯一の望みを託す「教育」。
彼は、教育さえ身につければ、家族を守り、明るい未来が来ると必死に信じます。

でも「教育」や「学ぶ」ことについて、グギ・ワ・ジオンゴ本人は
『農民と労働者は私にとって永遠の教師だ。
彼らから学んだことは、大学で学んだことより多い』と語っています。
(宮本正興『文学から見たアフリカ』より)

物語の結末は、本当に悲しくてやりきれなくて、
アフリカの闇の濃さに吸い込まれそうになります。

今日も同じ1日が終わろうとすることに感謝せずにはいられません。


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