#128 カレーライス

Jan. 28, 2014

『ケニア 大地をかけるアティエノ』(偕成社)

2/10あたりから本屋さんにならぶことになりました!

アティエノの日常がつまったこの本を、どうぞよろしくお願いします。


ということで、取材の裏話をここで何回か、書こうと思います。

***
「日本ではどんなものを食べるの?」
「あなたの息子たちの好きな日本の料理はなに?」

アティエノのお母さんのエマは、いつも私にそう尋ねていました。
百聞は一見にしかずということで、みんなに日本食を作ることにしました。

今までアフリカで作ったことのあるものは、
トンカツ、親子丼、肉じゃが、スパゲッティナポリタン、などなど。
ちょっと甘めの味付けが喜んでもらえるみたい。
(お味噌汁、海苔などはたいてい嫌われます・・・)

せっかくだから作ったことのないものを、ということで
思いついたのは、カレーライス。
うちの息子たちも好きだし、アティエノたちにもきっと気に入ってもらえるはず!
成田空港でカレーのルーを買って、ケニアに持って行きました。


「今日は私が日本の食べ物を作るよ〜」と言うと、アティエノたちは

「わあ、夜になるのが楽しみ!」とにこにこしながら学校へ行きました。

私ははりきって、町の大きな市場へ出かけました。まずはニワトリを1羽購入。

あとはお米、タマネギ、ニンジン、じゃがいも。

太陽はじりじりと照りつけ、たくさんの食材を入れたプスチックバッグは破れ、

ニワトリは暴れるし、買い出しだけで半日かかりました。

マタツ(ケニアの乗り合いバス)の中でニワトリを押さえつけながら、

アフリカのお母さんは大変だなあ、と改めて思いました。


アティエノの家に着いて、料理開始。

まずは、ため池に、お肉や野菜を洗うための水を汲みに行きます。

そして、ニワトリの分解。首をちょんぎって、羽をむしって、あとは分解。

ニワトリをしめることに少しは慣れてきたけど、やっぱりちょっと苦手な作業。

でも「食べることは生き物の命をいただくことなんだな」と実感する瞬間です。

それからお米から石を取り除いて

(これもけっこう時間がかかる。約1時間ぐらい)、

野菜を切って

(まな板がないので空中で切る。慣れるまでけっこうむずかしい)、

かまどに火をいれて

(木炭に火をいれて、まきで火の強弱を調節。煙がすごくて顔が真っ黒になる)、

食材を煮込み始めます。

アティエノたちが学校から帰ってきて、薪を拾ったり食器を洗ったり

お手伝いをしてくれます。

 

気がつくと太陽はすでに沈んで、あたりはもう真っ暗。

電気はないので、かまどの火と懐中電灯の光で料理をします。

顔はすすで真っ黒で、へとへとに疲れていて、暗闇でおなべをひっくり返すし

お米は焦げるし、泣きそうになりました。

冷蔵庫に食材を保管できて、蛇口をひねったら水が出て

簡単に火が使える日本の台所が、心の底から恋しくなりました。

でもお腹をすかせたアティエノたちが待っているので、急がなければ!

 

途中からアティエノのお母さんに手伝ってもらって

やっとカレーライスが完成。

日本では1時間もあればできる料理に、ほぼ1日かかってしまいました。

アフリカのお母さんはたくましい!と感心すると同時に、

子どもたちがお手伝いをする理由もわかりました。

料理は、お母さんがひとりでできる仕事ではないからです。

 

でも、みんながおいしいと言いながらたくさん食べてくれて、

疲れも吹き飛びました。

食後にみんなでチャイを飲みながら、次はもっと手際よく

おいしい日本食を作ろう!と誓いました。


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次の日、アティエノの妹のアウマ(4才)がルーの箱でカメラを作って

私の真似をしていました。

空き箱もここでは立派なおもちゃになります。