#121 太陽の生活

May. 28, 2013

ケニアでいつも一緒に仕事をしているおじさん。
私がケニアに行くと、いつも村から出てきてくれる。
そして「いい子だ、よく来たね」と笑顔で迎えてくれる。
親戚のおじさんみたいだ。

ある夜、仕事が終わって一緒にビールを飲んでいたら、こんな話をしてくれた。


「朝は太陽とともに起きる。甘いチャイをゆっくり飲んで、畑に行く。
畑で汗を流して働いて、太陽がてっぺんに昇ると、木陰で休む。
そして家でお昼ごはんを食べて、また畑で仕事をする。
そのうち太陽が遠くの地平線に沈みかけると、家に帰る。

家に帰ると、夕ご飯のいいにおいがする。妻と一緒に食事をする。
特別なときには肉を食べるが、ふだんは食べない。もっと特別なときにはビールを飲む。
妻はおしゃべりで、いつも笑っている。私もつられて笑う。

食事が終わると、新聞を読む。3日前の新聞を大切に読む。
電気がないのでケロシンランプの灯りで読む。
妻が、熱いチャイを淹れてくれる。それを飲んでいると眠くなる。
ベッドに入る。太陽も地平線の下でぐっすり眠っている。
そのうち朝がやってくる。太陽が空に顔を出すころに、顔を洗う。

なんと退屈な毎日だと思うかもしれない。でも私はこんな村での生活が好きだ。
息子、娘たちも結婚したり就職した。私は妻と静かな生活を送っている。
太陽が中心にある生活だ。私は、こんな私の人生がわりと好きだ」


なんて豊かな生活だろう。
どうやったらそんな生活ができるんだろう。


「君はまだ若い。そして忙しい。
子どもが大きくなって手が離れたら私の村に来たらいい。
その頃、私は天国にいるけどね」

と言っておじさんは笑った。


私もいつか、おじさんみたいに太陽とともに生きてみたいと思った。



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ラジオが大好きなおじさん
いつもジョークを言って私を笑わせてくれるので
きついスケジュールの取材でも楽しくなります