#102 自由

Apr. 8, 2012

自由だなあ、と思う。

誰のせいにもしない。依存しない。
自分で責任をもっている。いろんなものを背負っている。

そんな彼女はいつも自由だ。


彼女とは、ナイロビ郊外のスラムで出会った。
「男はみんな泥棒で、女はみんな売春婦」
ひどいスラムだったけど、音楽と子どもたちの笑顔だけは溢れていた。
「日本人が関わるとろくなことにならない」と
いつも彼女は影のように身を潜めていた。
そんな場所で、彼女と私の人生が少しだけ交差した。

あれから7年がたち
今、彼女はアフリカから離れたアジアの小さな島に住んでいる。
仕事は大変そうだけど、暮らしは楽しそうだ。

もちろん楽しいことだけじゃないだろう。
仕事が忙しくて、家族ですごす時間も少ないという。
旅をする時間もなかなかないらしい。

それでも、彼女は自由だなあと思う。
誰かによりかかったりしない。
心のあり方が自由なのだ。

何年かぶりに帰国した彼女と会って
私も自由でありたいな、と思った。

気ままに旅をすることや
好きに使える時間がたくさんあることだけが自由ではない。
自由とは、心のあり方のことなんだと思う。


彼女は今ごろ機上の人。
また日本か、どこかの国で会いましょう。
いつかアフリカで再会しましょう。



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