#89 未来

Jun. 21, 2011

ついに、私たちが運営しているウガンダでの奨学金プロジェクト
NESTから、大学卒業生が出ます。

***

たまたま私にお金を託してくれたのが、私の友人で女医さんだったので
「お医者さんになりたい女の子」を探していたら、ナンシーに出会いました。

ナンシーは学費が払えなくなって学校を辞める寸前でした。
成績も良くて、辞めるのはもったいない、と先生からの推薦もあり
私たちはナンシーに学費を出すことに決めました。

ナンシーはシャイで、最初は私と目も合わせてくれませんでした。
英語を話すのも恥ずかしくて、なかなか話もできず、
首都のカンパラに一緒に行ったときは、初めて見る車の多さに
私の手をぎゅっと握って離しませんでした。

そんなナンシーが、紛争地域を出て首都カンパラの全寮制の学校に行き、
そこで勉強したり友達を作ったり楽しい学生生活を送り、
もちろん、私に見えないところで努力もしていたのでしょう。
ナンシーはいつのまにか、私の目をまっすぐ見て話をするようになっていて
そのうちおしゃれの話や恋の話をするようになったかと思うと
あっというまにナンシーは結婚して子供を産みました。

その今は3歳になる娘を育てながら大学を卒業することは、
私も、同じ母親として心から尊敬します。


私たちがウガンダ北部の子どもたちに学費を出そうと決めたのは
同じウガンダでも南部の子どもたちに比べてチャンスが圧倒的に少ないこと、
そして、戦争以外の別の生き方の可能性を見つけてほしかったからです。


ナンシーは、ちゃんと別の生き方を見つけてそれを私たちに見せてくれました。
ウガンダの明るい空の下で彼女が笑っているのを想像すると
ああ、私も負けてられないな、と思います。

ナンシーが彼女の父親を看取った、暗い小屋の闇を私は忘れることができません。
びっくりするぐらいぼろぼろの、朽ち果てた小屋。
その闇の中で、私は案内してくれたナンシーの背中をさするのが精一杯で
写真を撮ることすらできませんでした。


紛争地域で、孤児で、貧しい彼女がここまでがんばれたのは
お金やアイディアを出してくれた日本の人たちのおかげです。
ナンシーに代わって、心からお礼申し上げます。
Apwoyo matek. (ありがとうございます。)


これからも遠くに住む家族のように、ナンシーや他の奨学生たちの未来を
一緒につくっていけたら嬉しいです。




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海の上のある夜明け。
遠くにうっすら見えているのはアフリカ大陸です。