#85 続ける

Mar. 22, 2011

この度の震災で被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。
また、復興に携わっている方、支援活動をされている方々に
心から感謝いたします。

***

そのとき、私は息子たちを寝かしつけていた。
ふたりとも寝てほっと一息ついたころに、大きな地震がやってきた。
私はなにも考えることができず、ただ両脇に息子たちを抱えて、玄関へむかった。

玄関のドアをあけてびっくりした。
空が、木が、地面が、揺れていた。
たくさんの鳥がバサバサと飛んでいった。

私は震えながら、ふたりの息子たちを抱えたまま、固まっていた。
そんな私の背中を小さな手でずっとトントンとたたいてくれていたのは2歳の長男。
地震がおさまってもまだ震える私に
「たーちゃん、じょーぶ?(おかあさん、だいじょうぶ?)」と声をかけてくれた。
次男はただじっと私の腕の中で丸まっていた。

この子たちを守らなければ、と思った。


その日以来、ショックで母乳が出なくなった。
被災地の方たちはもっと大変な目にあっているというのに、
私は自分の子どものために母乳さえ出せない。
テレビから流れてくるのは悲しいニュースばかりで
福島にいるおじいちゃんはじめ親戚一同のことや
茨城にいる親しい人たちの安否が気になってしかたない。

そうやってこの10日がすぎた。

私にできることは、まだ見つかっていない。
今は、ふつうに毎日をすごすことしかできない。

このふつうの毎日から、なにかを見つけるしかない。
そのためには、この時間軸に沿って、前に進まないといけない。

1ヶ月前から決まっていたアフリカ出張。
ぎりぎりまで悩んで、やっぱり行くことにした。
私は私にできることをしなければならない。
誰かを励ますつもりでいるなら、自分も前を向いていないと。

私にできるなにかを見つけてきます。


出発まであと1ヶ月。
それまで京都ですごすことになりました。
しばらく東京を離れますが、とにかく日常生活を一生懸命続けようと思います。

そして、今回の震災で犠牲になった方の人生や、今も被災地にいる方々について
想像することを続けようと思います。



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