#17 命をいただくこと

May. 27, 2009

うちの近所は都内とは思えないほど、畑が多い。
そして畑のとなりに、コインロッカーで野菜を売っている。
新鮮な野菜が安く手に入るので、うちはほとんどスーパーで野菜を買わない。

今日はトマトと黄色いズッキーニ、ルッコラを入手。

新鮮な野菜はそのまま食べたりゆでたりするだけで驚くほどおいしい。
トマトからは太陽のにおいがする。
ズッキーニを少しかじってみると、とても甘い。
ルッコラはサラダにしよう。

息子も野菜が大好きで、調味料をほとんど使わずに料理してもぺろっと食べる。


私は日本食ももちろん好きだけど、それ以上にアフリカのごはんも好きだ。
私がよく知っているのはウガンダ北部のアチョリの人たちの食べ物。

アチョリフードに惚れ込み、食堂でバイト兼料理修行までした。

ああ、ヤギのシチューが恋しい。



なぜアフリカで食べるごはんがおいしいのか。
その答えは簡単だった。食材が新鮮。特にお肉。

その食堂では、生きたニワトリやヤギを買ってきて、庭でさばいてから調理する。


初めてニワトリをさばくのを見たときには、泣いてしまった。
だって、首をきゅっと絞められたニワトリのまわりを
ひよこが悲しそうに(そう見えた)よちよち歩いている。

泣いている私を見て、アフリカの友達は笑った。
「いつもビール片手においしいおいしいってチキンを食べてるじゃないか」

たしかに。


ヤギの解体シーンもけっこうショッキングだった。
でも、皮をむくと、うっとりするほど美しい色のお肉が現れて、
思わず「おいしそう・・」とつぶやいてしまった。


私たちは、命をいただいている。

毎日のように食べているお肉や魚たち。
パックに入ってスーパーに並んでいると、感覚が麻痺してしまうけど
私たちはたしかに彼らの命をいただいている。

私は、日本でスーパーに並んでいるお肉を見るたびに
「こいつはどんな顔の豚だったんだろうか」
「どんな模様の牛だったのか」
と想像するようになった。

彼らにも、誕生の瞬間があり、生きる喜びがあり
人生(牛生?豚生?)があって、ここに来たのだ。


命をいただくことに感謝を忘れたくないと思う。
だから、おいしく料理しておいしく楽しく食べたい。


最近は、野菜にも命があるような気がしている。
新鮮な野菜から「おいしく食べてくださいね〜」と声がきこえる。
というのは嘘で、きこえるような気がしているだけです。
せっかくの命、おいしくいただこう。



エチオピアで、私にごちそうをするために友達が羊を買ってくれた。
市場で買って、一緒に車に乗って帰った。
羊の瞳には、アジスアベバの景色がきれいに映っていた。

羊は、その家の庭でおいしそうにバラを食べていた。
私はその姿をぼんやりながめていた。
さあ、これからこいつを食べるのだ。

美しい内蔵と血の色。
尊い命を失ったその羊の胃の中には、ぐちゃぐちゃになったバラの花。

ちょっと切なかったけど、そんな気分を忘れるようなおいしさでした。

そのときの日記。
http://thewaterofafrica.blog.drecom.jp/archive/212


今日も私たちは命をいただいている。感謝の気持ちを忘れずにいよう。


エチオピアにて

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