#115 アベー

Dec. 7, 2012

ウガンダで、私は「アベー」と呼ばれている。

それは友人がなんとなく私を呼び始めた名前で、
他のみんなも私のことをそう呼ぶ。
私もこれが自分の名前だということに、すごくしっくりきている。
逆にウガンダで「ナオコ」なんて呼ばれると、少し緊張する。
本当に自分が日本人でよそ者みたいに感じるからだ。
(よそ者にはちがいないのだけど)


ウガンダで妹のように思っている女の子がいて、
出会った頃は「女の子」だったけど、今はもう大人の女性で、3歳の娘がいる。

「そういえば、娘の名前はなんていうの?」ってきいたら
「あれ、言ってなかった?アベーっていうの。名前、あなたにもらったの」
とあっさりと答えられたので、その時は「そう、同じ名前だね」ってあっさり答えたけど、
今になって、嬉しさがこみあげてきた。
私の名前を娘につけてくれるなんて。嬉しすぎる。
3歳のアベーを「ちいさなアベー」とよぶことにした。

「今度アベーにチキンを持っていかなきゃね」と彼女は笑った。
ウガンダ北部、アチョリの人びとの習慣では、名前をもらった人はその名前の持ち主に
名前のお礼としてチキンを持っていかなければならないのだ。

私が彼女に出会ったのは、ちょうどグルでゲリラ軍による大虐殺があった時で、
彼女はエイズで両親を失って、家も失って、本当に辛い状況だった。
そこから彼女が立ち直るのも見てきたし、いろいろあったけれど
今こうして、お互いに母親になって、グルが平和になって、
私たちがチキンの贈り物の話をしていることが、奇跡のように思える。

ちいさなアベーは今ごろ元気だろうか。次いつ会えるだろう。
おおきなアベーは日本で、チキンを心待ちにしています。



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ある日の夕暮れ
uganda, 2012